奇跡をあなたに


私はそんな望を見て、その場を離れた。


見ていられなかった。


いつも、私が泣いていると望は私に優しく声をかけてくれる。


でも....私は、なんて声をかければいいのか分からなかった。


きっと、望を見ると泣いてしまう。


望が泣いている前で私は泣けない。


望と出会って、私はよく泣くなぁ...


辛い涙も...


嬉しい涙も...


私は家に帰り、望の事を考える。


私の頭から望が消える事は一秒もない。


いつも、いつも頭の中は望でいっぱいだった...


心の中も...


考えれば考えるほど、分からなくなる。


あの日、どうして私にあんな事をしたのか。



辛くなるって言ってた...


またあんな事してしまうって...



友達だったんじゃないの....?



もし...あのまましてたら、私逹はどうなってた?



でも...初めから望はなんもする気なかったんだよね...



望はそんな人じゃないから...


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