奇跡をあなたに



「.....望?」


望はびちょびちょだった。



「.....。」


望はしゃべらない。


「どうしたの?びちょびちょじゃん!」


「なんでもねぇ~」


そう言って望は帰ろうとした。


「ちょっと待って?」


望の足が止まった。

望は後ろを向いたまま何も話さない。


「望?どうしたの?」

私は望の前に行き望の顔を見た。


!?!


「....望泣いてるの?」


雨ではなく、望は目から涙を流していた。


「見んなょ...」


「望!?」


「俺、駄目だな...。」


「えッ?」


「...なんできちまったんだろうな...」


「望?とにかく入って?」


私は望の手を引いて部屋に入れようした時...


「幸....」


望が私を突然抱き締めた。


震えている望。


「....望?」


「ごめん...今日で最後にするから...。」

「えッ最後って...」


望は私の体を包み込むように優しく抱き締めてくれた。



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