奇跡をあなたに


「望?どうしたの?何かあった?」


「...なんもね~よ。」


「望..辛いなら言って?」


望は私の顔を見て久しぶりに笑ってくれた。


「大丈夫だから。」


「...望の笑顔久しぶりに見た...グスッ」


私はおもわず泣いてしまった。


「なんで幸が泣くんだよ。」


「だって..グスッもう話せないって...思ってた...グス」


「ごめんな....。」



「望?」


「何?」


「...私から...グスッ離れないで?」


「ごめんな...でも、俺は...俺にとって幸は..欠けがえのない大切な存在だから...俺にとってたった1人の女だから。それだけは、忘れるなよ?...」


望はそう言って私のおでこにキスをしてくれた。


望は私を抱き締めていた手をはずした。


「嫌だよ...離れないで?」


私は思わず望を抱き締めた。


「...お願いだから..そんな事言わないでくれよ...。」


「やだ....やだ..ょ」

今、望を離すと、戻ってこない気がしたんだ。



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