奇跡をあなたに
私は学校へ行っても教室にはいられなかった。
隣に望がいないから。
進路の事で大切な時期だけど...
そんなの私には関係ない。
私は毎日毎日保健室にいた。
学校に行ったのは、1人でいるのが嫌だったから。
だから保健室の先生だけが私の味方だった。
いつも側にいてくれる。
何も言わないけど、私の話は聞いてくれた。
今までの事。
お母さんの事も奈々の事も望と出会った事も...
ゆっくり聞いてくれた。
奈々が亡くなった時も先生が奈々の居場所を教えてくれた。
先生なんて大嫌いだったけど、保健室の先生は好き。
だから...なんでも言えた。
「先生?」
「何?」
「先生は大切な友達いる?」
「もちろん!」
「そっか...私は望と奈々なんだ。」
「そうなの..いい友達ね。」
「でもね...今は1人だよ?」
「.....幸さん。」
先生は私を見て悲しそうな顔をした。