奇跡をあなたに
「...市川くんが学校をこなくなる二日前、私の所へ来たの...私しか頼れないからって。
市川くんは“幸を頼む”って...
“俺がいなくなったら幸は1人になるから...先生が側にいてやってくれ”って...。」
望が...?
なんで...そんな事言うの?
「望は、なんで急に学校へこなくなったんですか?」
先生は下を向いて言った。
「ごめんなさい...それは言えないの。」
「なんで!?」
「市川くんと約束しからよ...」
「約束?」
「そぉよ...“言わないでくれ”って...」
「先生...私はどうしたらいいの?そんな事言われたら、望をほっとけないよ...。」
「...幸さん。市川くんは...私から言うより自分の口で言いたいと思うの...だから私は言えないの。」
「でも!その望がどこにいるか分かんないのに...どうすればいいの?」
先生は静かに席を立って言った。
「今日の放課後また保健室に来てくれる?」
...?
「なんで?」
「いいから..」
コク
私は素直に頷いた。