奇跡をあなたに



私は町に出た。


人込みの多い所へ。

ただ歩いていた。




望がエイズ...


私は今までの望を思い出した。


望が言った言葉。


「俺はずっと幸の側にはいてやれない。」


「どんな風に生きてる?」


「俺は生きたい。」



そして..


定期的に飲んでいた薬。


手をケガして血が出たとき...


「やめろ!」


と言った言葉。



エイズだったからなの?



学校に来ても保健室いたし、痩せていた。


私はただ、簡単に体調悪いのかなとしか考えていなかった。


望の異変の理由はこれだったんだ...


私は道のど真ん中にしゃがみこんだ。


私はまた泣いた。


気付けなかった事が悔しくて...


望はどんだけ悩んでいたか...


私ただただ泣いた。

私には望に何ができるのかな...?



何より、私は病院から出てきてしまった。


望はきっと傷ついている。


いつもいつも望は、私を助けてくれていたのに...



私は望から逃げてしまった...


現実からも...


なにしてんだろう...。


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