奇跡をあなたに


私と望のお母さんはベンチに座り話した。



私は望の過去を知る事になる。



私はただただ望のお母さんの話を聞いた。



「あの子の病気知ってるんでしょ?」


「はい...。」


「そぅ、昨日あの子あなたが来たって喜んでいたわ。」


「でも...私、望くんの病気知って病室から出たんです。」


「仕方ないゎ。私は母親なのに...あの子に辛い思いさせたから...」



「辛い思い?」



「そぅ、あの子がエイズと分かった時は中学生だったの...」


「そんな前からですか?」



「感染していたのは、小学生の低学年の時らしいの....あの子昔、輸血してもらった事があって...その輸血の血液がHIv感染者の血液だったの...。」



「......。」


そんな小さい頃に...


私は何も言えなかった。


「小さい頃からよく風邪引く子だったからHIVに感染している事に気付かなかったの...。」


望のお母さんは今にも泣きそうな顔をしていた。



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