奇跡をあなたに


でも、お母さんは話を続けた。



「でも、中学3年の始めにあの子が体調を崩して病院に言ったの...その時に血液検査があって...エイズだと分かったの。中学校にはあの子がエイズだと伝えていたんだけど...望には言ってなかったの。
ただ薬を定期的に飲ませるようにはしてたんだけど...
でも、ある日なぜか生徒にもあの子がエイズだとばれて...あの子の友達だった子も全部離れていったわ..」



望は、友達がいないって言ってた。


昔はいたけど...って。


私は何もかもがだんだん頭の中で一致してきた。



「でも、あの子はあの性格だから“辛い”とか一切言わなくて...いつもいつも笑顔でいたの。
私が病気の事を言う前にあの子は自分で分かってたゎ...
でも、あの子は不良みたいな子だったから...いじめとかはなかったみたいなんだけど..誰も近寄らなくなったの。
あの子は高校にも行ったんだけど...一つ下の妹がいじめに合うようになって、家族で引っ越す事にしたの...
でもあの子は、“俺が一緒にいたら妹まで迷惑かけるから別に暮らす。”って言い出したの...
私はそれを止めようとしなかった...
娘がまたいじめに合うと思うと、そっちの方がいいと思ったの...」



望は...だから自分の事を話さなかったんだ。


家にも呼ばなかったのは、1人で暮らしている事がばれたくなかったから?


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