奇跡をあなたに
コンコン
私は望の病室をノックした。
「はい。」
望の声だ。
ガラガラ
私はドアを開けた。
「望―おはよう!」
「幸...?なんで?」
「なんでって...会いたいから来たの!」
「昨日の話聞いてたか?だいたい幸、昨日病室から出ていったじゃん。」
「聞いてたよ!正直びっくりした。でも、私が望といたいの!望が嫌でもいるから。」
望はポカンとしている。
「(笑)ばかじゃね―の」
望は私に笑顔で笑ってくれた。
「ばかじゃないもん(笑)」
「本当に幸はさぁ―――ッ」
!?
望?
望は私の目の前で泣いた。
「...望?」
「見んなよ!幸本当に...ばかだよなぁ――」
望は私に涙を見せないように後ろを向いていた。
私はそんな望の後ろを見て、思わず後ろから抱き締めた。
「望?大丈夫だからね...これからもずっと私が側にいるからね。」
私は昔、望が言ってくれた言葉と同じように言った。
私が救われた言葉だったから...