奇跡をあなたに


次の日もいつものように望の所へ言った。


最近はマスクをして病室に入る。



「望―――(笑)」


「おぅ!来たか―」


昨日の涙が嘘みたいに望は笑顔だった。


「熱下がった?」


「おぅ!だいぶな―」

「そっか!良かった!」


「幸がいつも来てくれるかな―熱なんか全然平気だし(笑)」


「ほんまに―?」


「ほんまに―(笑)」


今も辛いはずなのに...


「昨日、財布忘れたんだ(笑)」


「あ―ここにおいてあるから―ドジだな(笑)」


「うるさい(笑)」



私は今日も早めに帰る事にした。


マフラーを編むために。


もう12月になる。



クリスマスプレゼントにあげようかな―(笑)


私は1人でニヤニヤしていた。


「何幸ニヤニヤしてんだよ(笑)」


「別に(笑)じゃあ今日は帰るね!!」


「最近早いな...。」


望は寂しそうな顔をした。

....望。


「明日も来るから!」

「分かった!」


私はそのまま病室に出て毛糸を買いに行った。



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