奇跡をあなたに
私は望を抱き締めた。
「幸――ッ俺、こえ―ょ。」
望は泣きながら言った。
望...。
「望?大丈夫だから!!」
私は正直なんて言ったらいいか分からなかった。
「幸―――ッ俺から離れないでくれ...」
「当たり前でしょ!!」
「よかっ―――たぁ――!」
望はそう言って涙を拭き、私に笑顔を見せた。
その笑顔を見ると、少し安心した。
「幸、もう帰っていいぞ?」
「大丈夫?」
「あぁ、もう暗いから帰ったほうがいいからな―」
「望?」
「ん?」
「私には望の本当の姿みせて?」
「...ありがとな。」
私はそう言って帰った。
望はきっとすごい怖いんだろう。
いつ死ぬか...
私も怖いよ。
望がいつ私の前からいなくなるのか...
もちろん、信じてる。
まだまだ何年も生きるって。
これからもずっと一緒にいたい。
それが今の私の願い。