奇跡をあなたに


望!?


嘘でしょ?


危ないって...


私は走った。


でも、緊急治療室はドアが閉まっていた。


そこには、望の妹さんもいた。


妹さんは泣いていた。


望はエイズ期に入り、体の中の免疫細胞がかなり減っているらしい...
普通の人なら感染しないような弱い菌にも感染をして細菌やウイルスに感染してしまう。


望は感染症で今危ない状況だった。



何時間たったか分からないけど、とにかく待った。


そんな時。


ウィーン


ドアが開いた。


!?


望が出てきた。


「望!」


「おに―ちゃん?」


望を呼ぶお母さんと妹さん。


そのまま個室の部屋に戻された。


先生は言った。


「今とても危険です。あとは望くん次第です!」


.....そんなッ。



望の部屋には、望のお母さんと妹さんが入っていた。


私も入りたかったけど、入れなかった。

怖くて...


私はずっと握り締めていたマフラーを床に落とした。


力が入らなかった...

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