奇跡をあなたに
いじめられても学校へ行ったのは、母がいるから。
休むと1日中暴力を振るわれる。
だから、嫌でも行くしかなかった。
休んでも、早退しても先生が母に連絡する。
私に逃げ道なんてなかった。
ある日。
いつものように学校でイジメに合い放課後は1人で帰っていた。
帰る途中に近くに病院がある。
いつもそこを通って帰る私。
「お嬢さん!」
!?!?
えっ?私?
そこには、パジャマ姿のおじいさんがいた。
きっと病院に入院している人だろう。
「.....。」
私はいつものように黙っていた。
おじいさんはニッコリ笑い私を見た。
「お嬢さん?どうかしたのかい?そんな悲しそうな顔をして。」
「別に...。」
「わしとちょっと話そうか。」
コクッ
私は頷いた。
なんでか分からないけど、私も誰かと話したかった。