奇跡をあなたに

私がしゃがみこんでいると...


「幸さん?」


望のお母さんが私をよんだ。


「は....い?」


「望があなたの名前呼んでるゎ...行ってあげて。」


私は部屋に入り、望を見た。


「...望!?」.


望は少し意識があった。


何かを一生懸命言ってる。


「なに?!望!」


私は望の近くに耳を向け聞いていた。


「さ....ち...」


「なに!?」


「お...れ...し...な...な ...い..か....ら...。」


《俺、死なないから》


望はそう言ってくれた。



「当たり前でしょ?一緒にクリスマス過ごすんだから!」


望は私の言葉を聞いて目をつぶった。


望....


私は望の手を握った。


ずっと...。


望のお母さんと妹さんも望のためにずっと一緒にいてくれた。

時計を見ると、夜の8時だった。


「幸さん?」


望のお母さんが話かけてきた。


「はい。」


「これ....。」


望のお母さんが渡してくれたのは、クリスマスカ―ドだった。


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