奇跡をあなたに
「これ、望が幸さんに書いたものよ!」
私はそのカ―ドを開いた。
私は思わず涙が出たんだ。
【幸へ。
メリークリスマス!!本当はプレゼント買いたかったんだけど買えなかった。ごめんな!退院したら買うから待ってな。俺、今日幸とクリスマス過ごせて本当に幸せだから!俺頑張るからな。絶対何十年も生きてみせるから、俺の側にいてくれな?まぁ嫌でも、もう離さないけどな―俺、奇跡見してやるから、俺と幸が出会ったようにな!見ててな!
望】
望....。
涙が止まらない。
横にいる望の手を強く握った。
「望?奇跡見してよ...」
私はそう言って朝までずっと側にいた。
その時。
望の手が動いた。
「望!?」
私は望の名前をよんだ。
望のお母さんも妹さんもそれに気付いた。
望は目が少しずつ開き、また何か言いたそうだった。
「なに!?」
「おれ..いき..て..る?」
《俺、生きてる?》
「生きてるよ!」
私はそう言うと望は少し笑った。