奇跡をあなたに


先生を呼び、望を診てもらった。


望のお母さんが先生に聞いた。


「先生...望は?」


「望くんはすごいですね。もう大丈夫ですよ 、本当なら生きていなかったと思います。たぶん生きたいと思う気持ちがすごかったんでしょ!」


先生はそう言って病室を出た。



望は本当に奇跡を見してくれた。


死がすぐ側にあったのに...


望は生きてくれた。


私は泣いた。


嬉しくて...


望は私を見ていった。


「な...くな...よ」


《泣くなよ》


「だって...グスッ望、よかった―――グスッ」


「お...れは..ふじ..みだ」


《俺は不死身だ》


望はそう言った。


本当に良かった。


生きていてくれて...


もう、何もいらない。


望が生きていてくれるなら、私はもう何も求めない。



私の生きる希望は望自身だから。



望は本当に不死身だね。


本当に奇跡起こしたね。


もう、離れないよ...望。




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