奇跡をあなたに


そして、向かえた正月。


私は病院に向かった。


「望―あけおめ―♪」


「あけおめ―(笑)」


「てかいい話があんだよ―」


望はすごい嬉しそうな顔をしている。


「何!?」


「一週間後に退院できるんだ♪」


「本当に?」


「あぁ!学校も行ける!」


「やったぁ―また望と一緒に学校に行けるんだね♪」


「おぅ!また迎えに行くからな!」


「無理したらダメだからね!」


「分かってるよ♪」


「うん♪」


望が退院できる。


嬉しくてたまらない。


学校に行くと、また望が隣にいるんだから...




「幸、本当に毎日ありがとな。」


「何言ってんの?私が来たいから来てるだけだよ!(笑)」


「俺さ―本当は...俺がエイズって幸が知ったら、引くって思ってたんだ。だから言えなかった...
もっと、早く言えば幸の事傷つけずにすんだのにな...ごめんな。」


「私、傷ついてないよ?例え傷つけられても、望にならいいよ。」


「本当ばかだな!幸はさぁ―(笑)」



「本当だよ?」


「ありがとな!」


望と一緒にいると本当に幸せ。


< 317 / 370 >

この作品をシェア

pagetop