奇跡をあなたに
おじいさんとの出会いは、私の心に暖かいものを教えてくれた。
「お嬢さん学校は楽しいかい?」
「別に...。」
「そうか。わしは学校へ行った事がないんだ。」
「....。」
なんで?って聞きたかったけど聞けなかった。
でも、おじいさんは自分から話してくれた。
「わしの小さい頃は戦争があったんだよ。学校に行って勉強したかったんだけどな。」
「...おじいさんは友達いたの?」
「いたよ。でも、皆死んでしまったよ。」
そのおじいさんの悲しい顔を見ると私は言葉を失った。
「お嬢さんは友達いるのか?」
私は首を振った。
「そっか。」
「私...1人ぼっちなんだ~。」
「どうしてだい?」
「私は親にも好かれてないし、友達もいないの。」
おじいさんは黙って私の話を聞いてくれた。
いじめられている事も親に暴力振るわれる事も。
なぜか今日会ったばかりのおじいさんに話した。
すべてを聞いたおじいさんは、私に優しくて話しかけてくれた。