奇跡をあなたに



「あらッ幸さん!あけましておめでとう。久しぶりね。」


「あけましておめでとうございます!お久しぶりです!


「奈々に会いに来てくれたの?」


「はい!」


「あの子も喜ぶわ。さぁ上がってちょうだい!」


「お邪魔します。」



私は部屋に上がり奈々の仏壇の前に座った。


お線香をあげて、手を合わせた。



私は心の中で奈々に話かけた。



“奈々、あけましておめでとう。ねぇ奈々?望、一生懸命今生きてるよ。
奈々もそうだったんだよね。
奈々も望を守ってね。”


私は奈々にそう言って、おばあさんのいる方へ行った。


「幸さん、これ食べて?」


おばさんが出してくれたのは、おしるこだった。



私はそれを食べて、おばさんに言った。


「このおしるこ奈々も食べてたんですか?」


「そうよ!大好きだったの。」


「奈々、幸せですね。こんな美味しいもの食べれるなんて。」


「幸さんにも、いつでも作るわよ。」


「本当ですか?ありがとうございます。」


私はおばあさんと少し話して、家を出た。



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