奇跡をあなたに
でも、この日の望は何かが違った。
何かを覚悟していた。
キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン
朝から始業式があり終わった後、教室に戻った。
ガラガラ
先生が入ってきた。
「朝のHRを始める。起立!」
皆が席を立つ。
「礼!...着席!」」
皆が席を座った時、先生が望に気付いた。
「お―市川、体大丈夫か?」
「はい。」
「そっかぁ―まぁ無理して学校に来るなよ(笑)」
「.....。」
望は先生を睨むようにして、何も言わなかった。
なんで笑って言うのか分からない。
一回でも、死の恐怖を知った望に...
ばかにしたように笑う先生。
心配なんてしてたんだろうか...
先生はその後も話を進めて、HRが終わろうとした時だった。
「今日は以上だ!HRは終わりだ!起立!」
「ちょっと待ってくれ!」
!?
望が急に声を出した。
「望?」
望は私に笑って前に出た。
!?!
「ちょッ望?」
望が何をしたいのか分からなかった。