奇跡をあなたに
「あいつもエイズなんじゃないの?」
「てか―騙されてたよね―」
「エイズとか可哀想―」
「望くんに、まじ幻滅ッ」
私はそんな、まるぎこえの言葉に我慢の限界を感じた。
私には何言ってもいい。
でも、望をけなす言葉だけは誰だろうと許さない。
「...ちょっッ――――」
私は文句を言おうとした時...
望が私の肩を掴み、言った。
「いいから...帰るぞ。」
「でも...ッ」
「いいから。」
私はその望の言葉で言うのをやめた。
そのまま私と望は、久しぶりに二人で河原に行った。
「望―久しぶりだね♪」
「そうだな(笑)」
「うん♪」
「てか、ごめんな。幸まで巻き込んで..」
「巻き込まれてないよ!でも、なんで言ったの?」
「周りのやつは、本当の友達じゃないからさ...俺はこんな人間だって言いたかったんだ。エイズだと知って離れていく友達は今まで見てきたら平気だけどさ。俺には幸がいるから...幸だけは離れていかなかったから。それだけで俺はいんだよ。」
望はそう言った。