奇跡をあなたに
私は席を立った。
そして女子の方を睨み付け言った。
「ふざけんな!」
「はぁ?(笑)だって本当の事じゃん!」
「本当の事!?」
「そうじゃん(笑)」
「あんたらに望の何が分かるわけ?」
「分かるわけないじゃん(笑)エイズじゃないし―」
「そうだね!どんなに望が辛いか分かるわけないよね。望は同情してほしいから皆に言ったんじゃない!望もあんたらに同情してほしいとも思ってない。私は望を傷つけたら許さないから!」
「許さないって―あんたに何ができんの?いじめられる奴が(笑)」
私はもう怒りが頂点にきた。
「―――――ッこうすんだよ!!」
パンッ
私は女子の1人にビンタした。
「痛ッ!何すんだよ!」
パンッ
向こうも私にビンタした。
その時だった...
「やめなよ!」
1人の女子が止めに入った。
その女子は香苗。
――――ッ香苗?
香苗は私の手を掴んで、離そうとはしない。
「離してよ!」
「いいからちょっと来て!」
「はぁ?」
そう言って香苗は私を教室から出した。