奇跡をあなたに


私は席を立った。


そして女子の方を睨み付け言った。



「ふざけんな!」


「はぁ?(笑)だって本当の事じゃん!」


「本当の事!?」


「そうじゃん(笑)」


「あんたらに望の何が分かるわけ?」


「分かるわけないじゃん(笑)エイズじゃないし―」


「そうだね!どんなに望が辛いか分かるわけないよね。望は同情してほしいから皆に言ったんじゃない!望もあんたらに同情してほしいとも思ってない。私は望を傷つけたら許さないから!」


「許さないって―あんたに何ができんの?いじめられる奴が(笑)」


私はもう怒りが頂点にきた。


「―――――ッこうすんだよ!!」


パンッ


私は女子の1人にビンタした。


「痛ッ!何すんだよ!」

パンッ


向こうも私にビンタした。


その時だった...


「やめなよ!」


1人の女子が止めに入った。


その女子は香苗。


――――ッ香苗?

香苗は私の手を掴んで、離そうとはしない。


「離してよ!」


「いいからちょっと来て!」


「はぁ?」


そう言って香苗は私を教室から出した。


< 329 / 370 >

この作品をシェア

pagetop