奇跡をあなたに
そのまま校庭の庭に来た。
香苗は私を掴んだ手を離した。
「何なの!?」
「あんたにも、やり返す事できんだね。」
「それが?」
「望の事...そんなに好きなんだ。」
「だったら何?」
「望が学校こなくなって私も心配したの。でも昨日エイズだって知って...びっくりした。」
「そぉ。」
「私ならたぶん、あんたみたいに望の側には、いられないと思った。でも、本当なら香苗が側にいたい。でも、望が側にいてほしいのは、あんただと思うから...」
.....?
「何が言いたいの?」
「今までの事ごめんね。」
「えッ?」
「でも、香苗も必死だったの...やり方は違ったと思うし、あんたには許してもらえないって分かってる。でも望の事本気だった。今でも好きな気持ち変わらない。」
「......香苗。」
香苗の事は最低だと思ってたけど、この時は香苗もちゃんと“心”持ってたんだなって思えた。
「望の事、そんなに好きだったんだね。」
「うん。でも、あんたには負けるから...でも私に何かできる事があったらゆってね?」
「ありがとう。」
香苗はそう言って私の前からいなくなった。