奇跡をあなたに
「幸寒いか?」
「ちょ―寒い!!」
「俺は幸に貰ったマフラーあるからな(笑)いいだろ―」
望は自慢気に笑っている。
「....普通貸してあげるとかさぁ―言ってくれないわけ?」
「貸さね―よ(笑)俺のだし―」
「はぁ―そうですか―」
「手かしてみ?」
「ん?」
そう言って望は私の手を掴みブレザーのポケットに入れた。
「ッ温かい!」
「だろ?カイロ入れてあるからな―(笑)」
ポケットに入っている私の手は、望がしっかり握ってくれていた。
周りにはカップルに見えているのかな?
でも、実際は違う。
でも嬉しかった。
周りからでも、カップルに見られただけでも嬉しくて、舞い上がりそうだった。
ニヤニヤしていると....
「何笑ってんだよ(笑)」
「べ、別に―――(笑)」
「なぁ―俺らカップルに見えてるかな?」
!?!
同じ事考えてた?
「....どうだろ―(笑)」
「嫌か?」
「そうじゃないよ?」
「そっか―」
「う、うん」
私は一気に鼓動が早くなった。