奇跡をあなたに

私は涙がこぼれた。


そんな時。


後ろから私を抱き締めてくれる暖かい手があった。


!?


望!?


私は思わず振り返った。



そこには望のお母さんがいた。


「幸ちゃん大丈夫?」


「なんでですか...?」



「幸ちゃんをおいていけないでしょ?」



「望...が...」



「望なら分かってくれるわよ。あの子は幸ちゃんの側に一番いたかったんだから。」



私は泣いた望のお母さんの胸で...


お母さんも一緒に泣いていた。


大切な人をなくす悲しさはとても苦しい。


「ありがとうね。望の側にいてくれて...」


「...望...生きてますよね?」


「.....。」


「...また笑ってくれますよね?」


「....幸ちゃん?望はもういないのよ。」


「.....。」


「病院に行こっか?」

「......。」


私は車に乗せられ、病院に向かった。


望がいる病室に行くと、望はベットに横になっていた。



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