奇跡をあなたに
望のお母さんは望の病室に入った。
私は止まっていた。
これ以上現実を見るのが怖かった。
私は病院を出た。
ただ歩いた。
どこに行くわけでもなく、歩いた。
望の事を考えながら。
もう外は暗かった。
望がいないなら生きる意味すら分からなかった。
望がいたから今まで頑張れた。
死にたいと思っていたあの頃を、望が救ってくれた。
私は望になんもしてあげれなかった。
生きたいと思う望に...
私の生きる意味はなんなのか...
1つの光が消えた時、もう何も見えなくなった。
もう、何一つ光がない私の中は前すら見えない。
どこを見ても、真っ暗でどこに進めばいいのか分からない。
ねぇ望....
どうしたらいい?
私を1人にしないで...