奇跡をあなたに

光の先



ずっと歩いた。



歩いた先にたどり着いたのは、奈々が飛び下りたビルの屋上。


ビルの階段を登り、屋上についた時「死」がそこにはあった。

私は座り込み、望の事を思いだした。


長かったようで短かった。


あっという間に過ぎた日。



いつも私を助けてくれた望。


初めて恋をした。


初めて幸せを感じた。


望に出会わなかったら、こんな気持ちにはなれなかった。



望がずっと好きだった。


好きすぎた。


最後の最後で、両思いなれた私と望。


思い出いっぱい作りたかった。


これからの人生を望とずっと一緒に歩きたかった。


どんなに願っても、望はもういない。


泣きすぎて涙がもうでない。


会いたい。


今すぐ望に...


私はビルの屋上から下を見た。



ここから飛び下りたら望に会えるかな?


ずっと一緒にいられるかな?


もう1人じゃ生きられない。



お母さんも奈々も望もいない。



生きたくない。


望と一緒にいたい。


私は死のうと思った。


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