奇跡をあなたに


卒業式の日。


お母さんのためには、卒業式にはでようと思った。


だから私は学校へ行った。



玄関を開けても、望は迎えに来ていない。


辛い。


いつまで、こんな気持ちでいればいいのか...



分からない。


でもこの日から私は変わった。


変われた。




卒業式を終え、帰ろうとした時...


「ちょっと待って!!」


??


私を呼んだのは香苗だった。



「......なに?」


「大丈夫なの?」


「なにが...?」


「望の事...」


「......。」


「望は頑張って生きたんだよ。」


“生きたんだよ”まるで、望がもう死んだみたいにゆう香苗。


「望は生きてる...」


「...望は死んだの!」


!?!


「生きてるの!!だって...いつも私の側に...」


私はしゃがみこんだ。


そんな時、香苗が私に何かを差し出した。


???


ゆっくり開けるその手のひらには、見覚えある物だった。



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