奇跡をあなたに


そして望の実家をあとにし、またある場所へ行った。




奈々の家に...


奈々に会いに行くために。



望の次に私の友達になってくれた奈々。

今まで、どこかでまだ認めたくなかった。


奈々が亡くなった事。


なにもできなかった私...


助けてあげる事も、側にいてあげる事も。


いじめがどれだけ辛い事なのか、分かっていたのに...


大切な二人をなくした私だけど...大切な事を教えてもらった。



確かに姿はないし、話す事ももうできないけど、二人は側にいてくれている気がする。



奈々が飛び下りたビルから死のうとした私は、本当にバカだ。


望は、生きたかったのに...


そんな望を見てきた私なのに...


私、何してたんだろう。


沢山の事を忘れかけていた。



自分を見失いかけていた。



生きてきて、辛い事も沢山あった。


でも、嬉しい事も楽しい事もあった。


望と出逢えて...



奈々と出逢えて...



幸せを知った。


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