奇跡をあなたに
そして何日か過ぎた日。
母から話を切り出した。
「部屋ッ探しといたから。あとこれで暮らしていきな。」
机の上に置かれていたのは、300万円だった。
「ありがとう。」
母はそれだけ言ってあとは何も言わなかった。
私は、なんとか受験にも成功し、引っ越す準備をした。
明日は引っ越す日。
部屋を片付けていると珍しく母がきた。
「片付いたの?」
「まだ...もう少し。」
「そぉ。」
「うん。」
「...私と離れてあんたも嬉しいでしょ?」
「それは母さんでしょ?」
「ッ.....。」
母は何か言いたそうだったけど、言わずに部屋から出ていった。
次の日。
家を出る時間には母は寝ていた。
だから私は1人部屋を出た。
“母さん、さよなら。”
そぉ一言だけ言って...
それが母との最後の日だった。