奇跡をあなたに
それから、いつものように学校を終え、2人で河原へ行った。


望が突然、話をきり出した。


「幸?」


「なに?」


「なんか、辛い事があったら言えよ?」


「どうしたの?急に~(笑)」


「いゃッなんか抱えてんじゃね―かなって思って...。」


なんで、望には分かるんだろう。


「今日、私が1人で暮らしてるって言ったから?」


「まぁな。」


私は望にだけには、話そうと思った。


「私の話聞いてくれる?望は私を嫌いになるかもしれないよ?」


「ばかか!親友は何聞いても、それを受け止めるんだよ!そんなんで壊れる仲じゃね―だろ!」


「そっか。私ね、ずっと暴力を振るわれて育ってきたの。」


「うん。」


望は頷いて私の話を聞いてくれた。


「ずっと、死ねばいいのにとか消えろとか言われて来たの。母さんはね、レイプされて、それで...私ができたの。だから愛情なんてなくて、私が邪魔だった見たい。だから家を出たの。」


「うん。」


望はずっと聞いてくれた。

今まであった事をゆっくり、聞いてくれた。



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