奇跡をあなたに
私はしばらく座りこんだままその二人を見ていた。


香苗はとても嬉しそうに望の手を繋いでいる。


望は....香苗に何あげたのかな。


指輪?


本当は私といたはずなのに...


私はゆっくり起き上がり、家に向かって歩いた。


握りしめていた指輪をテーブルにおき、私は呆然としていた。
もし、今日私と望が一緒にいたら何してたかな?

望からのプレゼントなんだったかな?


そう考えながらそのままいつのまにか寝てしまった。


その日から私はまた、望と出会う前の自分に戻ってしまった。


声も出さない。
自分で何を考えているのかさえ分からなかった。

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