奇跡をあなたに
第3章

母の最後

冬休み。

何も考えない毎日。

そんなある日。


ピンポ―ン


チャイムが鳴ったけど、人と会う気分じゃなかったから、でなかった。


ピンポ―ン ピンポ―ン ピンポ―ン ピンポ―ン


鳴り続けるチャイム。


うるさいなぁ~

私は渋々玄関を開けた。


??

そこには派手なドレスをきた女性が立っていた。


「....。」


私は何も話さなかった。


「あなた幸ちゃん?」

コクッ

頷く私。

「ちょっと来て?」

!?!

その女性は私を引っ張りだし無理矢理タクシーに乗せた。


なんなの!?


突然の事に頭が混乱する私。


「あなたのお母さんが危ないの!」


「.....。」
えッ母さんが?

「今から病院に行くから!」

ドクッドクッドクッ

私の鼓動は病院に近づくたびに早くなる。

ドクッドクッドクッ


病室につくと母さんは、医者や看護婦に囲まれていた。


ピ―――――

そう鳴り響く病室はとても静かだった。

母は亡くなった。


私がつく少し前に。

母の病気は癌だった。

< 80 / 370 >

この作品をシェア

pagetop