奇跡をあなたに
一緒に来た女性は母に近より泣いた。

「静香さん...どうして、静香さんが。」


...静香?


母の名前は、直美だった。

疑問に思いながらも私は母に近寄った。

2年ぶりに会う母はとても痩せていた。

綺麗な顔だった母がまるで、骸骨みたいだ。


私は涙がでなかった。

悲しい...きっとその気持ちを表に出すことができなかったんだと思う。


小さい頃からの母からの暴力にたえてきた私。


だから、母の前では涙なんて見せれなかった。


その日、母の死を確認し女性に家まで送ってもらった。


女性は何も言わず私を送り、帰って行った。


帰ってからの私はまた何も考えれなかった。


母が死んだなんてまるで嘘じゃないかって思うほど、私は普通に過ごした。

泣くこともない。


母を思い出すと、あの頃暴力を思い出す。


だから何も考えなかった。

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