奇跡をあなたに
女性は私の目を真っ直ぐ見てゆっくりと話始めた。


「今から聞くことは、あなたにとって信じられない事かもしれない。でも事実だから聞いてね。
あなたのお母さんは私と同じ店に働いていたの。勿論あなたも知っている水商売よ。
私と静香さんは15年前知り合ったの.....」


その女性の話は私にとって今までの母を覆すものだった。

母は10年前から水商売の仕事を始めた。
私は母はもっと前から水商売をしていたと思っていた。


でも、それは違った....


母が私を生んで、私を1人で育ててきた。

母にはお母さんとお父さんがいなかったらしい。

母は親に捨てられ、施設で育った。


私は自分の母だったのに、そんな事すら知らなかった。
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