奇跡をあなたに
知らない母を見る事は、本当の母を知る事。

もうこの世にはいない母を考えると、言葉にはならない思いでいっぱいだった...その気持ちをどう表していいのか分からない。


だけど、母が私をどう思っていたか知りたかった。


一度も誕生日を祝ってもらえなかったけど...

一緒に笑う事も、母の笑顔を見る事もなかったけど...


本当の母を知りたかった。


だから私は、母からの手紙を読むことにした。


考えれば考えるとほど、不安はあったけど読まない方が後悔するんじゃないかなと思った。


私は封筒を開け、中の紙を取り出した。

何枚も重なるその紙には、ぎっしりとつまった文字でいっぱいだった。


私はその手紙をゆっくり読みだした。

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