奇跡をあなたに

母から私へ

母の手紙には、こう書かれていた。


【幸へ

ごめんね。本当はあなたの目の前で話さないといけないのかもしれない。
私は弱いせいで、ごめんなさい。
でも、あなたがこれを読んでいる時はきっと私はもういないんでしょうね。
正直あなたに手紙を書こうか悩みました。今まで、あなたには暴力をふるう事しかできなくて、今さら母親らしい事は何も言えない。
でも、ちゃんと言いたかったの、私はあなたを本当の子供だと思ってた事を。
言い訳になるかもしれないけど、私にも両親がいなかったの、だからあなたをどう育てていけばいいのか分からなかった。あなたが生まれて私は、最初心から喜べなかった...でもあなたが大きくなるたび、私に似てくるあなたを見て、自分の子供なんだと思えるようになったの。
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