奇跡をあなたに
でもその反面、昔の自分を見ているようであなたに暴力をふるう事によって、自分自身を殴っているように見えた。
あなたに「死ね」と言ったのも、あなたの事じゃなく私自身に向けた言葉だった。あなたが高校に行きたいと言った時、私はあなたを離したくなかった。でも、いいチャンスだとも思ったの、あなたを離す事で暴力をふるわなくていいから。
その頃に私は癌だと宣告されたの。
もう、手遅れと言われたわ。
今さら謝ってすむことではないけど、謝らしてほしいの。
ごめんなさい。本当にあなたを傷つけて...
私にとってあなたは生きる希望だった。信じてもらえなくてもいい、でもこの手紙に書いた事に嘘は一つもないから。

あなたにはもっとこれから未来があるから私の分まで精一杯生きてほしい。
私はあなたを愛してた。
うまく表現はできなかったけど、あなたを生んで、生きててよかったと思えたから。

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