奇跡をあなたに
私は、母が書いた手紙の上に何粒もの涙を流した。


本当の母を知って..
本当の母の気持ちを知って...


この母の手紙には愛があった。

暖かみや優しさがそこにはあった。

まるで母の温もりを感じるように、その何枚もの紙には初めて感じた母の温もりが沢山あった。



母に“幸”と呼ばれた事。

“愛してる”と言われた事。


“生まれてきてくれてありがとう”と言われた事。

何もかもが初めてで何もかもが最後だった。


もっと、母の側にいたかった。

母さんにギュッと抱き締めてもらいたかった。


卑怯だよ...最後の最後で本当の気持ち言うなんて。


私も気持ち伝えたかった。


生きてる母に...

目の前で“生んでくれてありがとう”って...


“幸”って名前つけてくれてありがとうって...

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