奇跡をあなたに

私から母へ

私は小さな箱の中に入ってしまった母の前で、すべての気持ちを話した。


『ねぇ、母さん。今でも間に合うかな?母さんに感謝の気持ちを返す時間は...
もっと早く気付くべきだったよ。
そしたら、母さんともっと一緒にいれたかもしれないよね?17年の間はとても長いようで短かった。母さんと過ごしたのは15年だね...
母さんの事はね、好きなんて正直言えなかった。
いらない子なんだってずっと思ってきた私には、母さんに感謝する気持ちさえなかった。


母さんなんて、母親じゃないってずっと思い続けてた私だけど、どこかで母さんを思う気持ちはあったんだよ?
家をでる時も、本当は母さんと暮らしていたかった。


暴力をふるわれてもいいから...
でもね、私が邪魔だと思ったから...
母さんには母さんの人生があると思ったの。

私のせいで母さんの人生を壊したくはなかった。



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