王子様の、花嫁探し。
アパートに帰ってきて、
あたしは玄関で
膝がガクリと床についた。
「......。」
さっきの光景が
まだ頭の中でぐるぐる駆け回る。
_______...
「氷奈っ!」
救急車へ運ばれる氷奈。
あたしと陸戸はバイクで後を追う。
急いで診察室へ運ばれる氷奈。
あたしはそんな光景を目にして、
なんとも言えなくなっちゃった。
「...氷奈」
陸戸も心配そうな目をする。
胸が、少しだけ、
ずきっと痛んだ。
陸戸は氷奈のこと、
心配してる。
それは、自分もよく分かってる。
なのに、
なのにどうしても、
陸戸に心配される氷奈に
ヤキモチを妬いてしまうんだ。