王子様の、花嫁探し。
「栖羽ちゃん、どうして
傘差さなかったの?」
かっちゃんは頭をかしげて聞いてきた。
「...傘が、
なかったから...」
「僕に電話してくれれば
迎えに行ってたのに」
かっちゃんは口を尖らせた。
「....ありがとう」
あたしは笑って見せた。
「陸戸と、なんかあったんだ?」
眉間にシワを寄せて、
かっちゃんは言った。
「...陸戸と、
別れた」
あたしは、小さな声で言った。
「...え?」
かっちゃん、
すっごくびっくりしてる。