王子様の、花嫁探し。




すまん...、

氷奈...。





今まで、

自分だけが傷ついてたと思った。


自分だけが苦しんとると思った。






...でも



傷ついてたんは、

苦しんとったんは、



――俺だけじゃなかったんや...。




氷奈は、


こんなにも、


苦しい思いをしてたんや...。




そう思うと、


氷奈を抱きしめてた手の力が

もっと強くなった。







「....陸戸ぉ....」



響き渡る氷奈の泣き声




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