王子様の、花嫁探し。





神父の格好をしたクラスの男子。


ひげをアゴにつけ、
聖書を手にしながらニヤニヤしてる。



見ていて笑いそうになるが、

我慢しなきゃ。



「それでは先ず始めに
 新郎に結婚の誓約をいていただきます」



やがて、

神父は口を開けた。






「あなたはいま、
 この女性と結婚し神の定めに従って

 夫婦となろうとしています。
 あなたは、その健やかなときも、
 病めるときも、豊かなるときも、
 貧しきときも、この女性を愛し、

 これを敬い、これを慰め、
 これを助け、そのいのちのかぎり、
 かたく節操を守ることを

 約束いたしますか?」



さっきまでニヤニヤしてた神父は、

今では真剣な表情で、


頑張って覚えた台本を口にしてる。




「約束いたします」


かっちゃんは大きな声で返事をした。





「続きまして
 新婦に結婚の誓約をしていただきます」




あたしの番だ....。
        


 



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