王子様の、花嫁探し。
♠♤ 帰り ♤♠
「陸戸」
「ん?どうしたの?」
「これ...」
ネックレスを差し出した。
「返すね」
陸戸はびっくりした表情を見せた。
「あたし、このネックレスの意味
知らなくて貰ってて。
でも、
知った以上、ダメだ」
「...選ばれたのは、
取り消しなしだよ?」
「でもっ、あたし。
やっぱりダメ。
普通でいい。
プリンセスになんてなりたくない」
「......。」
陸戸はすっごく、
悲しい顔をした。
「栖羽ちゃん!」
「かっちゃん....」
「帰ろ?」
「...。」
陸戸を見る。
陸戸はネックレスを受け取らないで、
そのまま教室から出て行った。
寂しそうな、背中。
...どうして?
どうして....