王子様の、花嫁探し。
「いい加減離せよこら!」
なんか屋上に来ちゃったし。
「チッ」
こら何舌打ちしとんじゃボケ。
「ったく。ほんまいちいち面倒や」
いきなり化けの皮はずすなボケ。
びっくりするだろアホ。
「誰が面倒だよ!」
「つーか腹減ったんやけど」
つーか君変化激しんですけど。
「激しい…」
「何が激しいん?」
「いえ何もございません」
こわぇよお前の目線。
「つーか。
さっきなんで彼氏おらんって言うたん?」
陸戸はその場に腰を下ろした。
「いないから」
あたしも座る。
「あん?おらん?」
「…おらんけど」
「朝、言ったよなぁ?」
「何?」
あいつ眼鏡をはずして、
「お前は俺様の女やって」
こう言ってきたんです。