王子様の、花嫁探し。
『ちょっとは応援するけど、
でもでも、
僕のこともちゃんと見てね?
男としてだよ!!
僕、栖羽ちゃんに
好きになってもらえるように、
いーっしょーけんめい
頑張るからねっ!』
いつもの、
可愛い口調。
明るい声。
『ありがと。かっちゃん』
『どういたしましてーへへ』
『じゃぁ、また明日ね?』
『うん!大好きだからね!栖羽ちゃん!』
かっちゃんはへへと笑って、
電話を切った。
かっちゃん、
ありがとう。
こんなあたしを
好きになってくれて
本当にありがとう。
あたし、
すっごく嬉しかったんだ。
かっちゃんのおかげって
言ったらなんだけど、
陸戸のことが好きだって、
気づいたんだ。