・季節に恋して~素敵な恋愛~

二人の電話


卒業式の夜、七時二十五分。
惇先輩に電話した。

ピリリリリッピリリッ
(早っ!)

「惇先輩?」
私は恐る恐る惇先輩の名前を呼んだ。

「はい。」
「未来です。」
「あ、は~い。」
はぁ~喋り方が柔らかくなった。

「時間開いてますか?」
「はいっ!」
「手紙読みました。」
「あ~。うん。」
「未来に、気なんかかけなくっても良いんです。普通にしていてください。」
「普通。普通…と言いますと?」

言うと思った。
でも、気をかけなければ疲れる事もなく、
ずっと一緒にいられるから。
なんて言えなかった。
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