月は昼に恋を、する。
数分後
「着きました」
「あ 小陽ちゃんを 中に寝かせとく
それと 兄さんを迎えにいかないと 早く帰ってと 言っても 帰って来ないだろうから」
「畏まりました お待ちしております」

さて 小陽ちゃんを起こすか
「小陽ちゃん 小陽ちゃん起きて」

すーすーと 彼女は気持ち良さそうに 寝息をたてる
「仕方ない ごめんね」
起こすのも あまりに 気持ち良く寝られていては やりにくい
薙真は 謝りながら 小陽を抱き上げて
屋敷の中に入る
「薙真様 お帰りなさいませ……あの その子は?」
メイドの一人が 問う
「悪いけど この子を ソファに寝かせといて すぐに出ていかないと いけないんだ」
小陽をソファに 降ろし メイドに言うと彼女はコクリと頷いた
「じゃあ 頼んだよ」


ギイ パタン
玄関の扉が開く音がして メイドの琉実(るみ)は振り返った
そこには兄の煌季(こうき)や薙真と同じ黒髪の少年が立っていた
「今 守村さんの 車が出て行ったけど………」
「お帰りなさいませ 満月様
先ほど 薙真様は お出掛けになりましたよ」
「出掛けた?……………どこに?」
満月は不思議そうに問う
「さあ わかりません 満月様 すぐに 夕食になさいますか?」
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