月は昼に恋を、する。

「理事室………こんなに遠いの?」

先を歩く小陽に だるそうに付いてきたが
校門から 歩いてエレベーターに乗って
また 歩いて の繰り返しで

「もう 無理」

絨毯のしかれた床に座り込んでしまった

「み あれ? 満月? ほら もうすぐ着くよ! 立ってっ」

座り込んだ満月のブレザーを小陽がぐいぐい引っ張り 立たせようとする

人間というものは なぜこんなに元気なんだ?

普通 朝はみんな 俺みたいになってるというのに
「……ねぇ」

「んっ?」

「なんで そんなに元気なの……?」

「? 普通だけど? もしかして 低血圧なの…?」

カツン
満月の後ろで ヒールの音がした

「あら?
妃宮 小陽ちゃんじゃない~ こんなところで何してるの?
用があるものだけしか入れないはずよ?」

「あ 理事長っ じ「あら その男の子は?あ もしかして 編入生の 子?」
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